企業がオウンドメディアで使うべきFacebookページ名は?

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企業がオウンドメディアでFacebookページを使う時はブログ名か企業名どちらが良いのか?

ここ数年、特に昨年はオウンドメディアを使ったコンテンツマーケティングに乗り出す企業がたくさん出てきました。少しでも記事を拡散しようとソーシャルメディアと連携する事も行われています。

そんな時ふと気になるのは、「オウンドメディア名でFacebookページを新たに作るかどうか」です。実際色々なメディアを見ていると、ブログ名でページを作っているところが大半。でも企業名で載せているところがあるのも事実。では実際のところ、企業がオウンドメディアで使うべきFacebookページ名は何なのでしょう?

今回は実際のオウンドメディアであった出来事も含めて、こういう時に企業名を出せばよいという事を解説します。

1.オウンドメディア「ビズ部」で起きたある出来事

オウンドメディア「ビズ部」とは

オウンドメディア『ビズ部』のトップページ

オウンドメディア『ビズ部』のトップページ (c) 株式会社起業ナビ http://kigyou-no1.com/

『ビズ部』とは、起業支援特化型会計事務所の「株式会社起業ナビ」(株式会社アカウンタックス)が運営するオウンドメディアです。税務や法務・売上向上などのコンテンツを発信しているブログで、記事数自体はそこまで多くないものの、ひとつひとつの記事のクオリティとボリュームは並みのサイトとは一線を画すものばかり。各記事で対策されたキーワードでの検索順位は常に上位という、まさにオウンドメディアの成功事例です。

そんなビズ部は当然ソーシャルメディア拡散の対策を行っており、SNSボタン設置やFacebookページも貼られているのですが、昨年の2015年12月頃にどうやら少し変化があったようなのです。

ビズ部に貼られてあるFacebookページを企業名から→ブログ名に変更

『ビズ部』のFacebookページ

『ビズ部』のFacebookページ。企業名を貼っていた名残が見て取れる

今までビズ部サイト内に貼られていたFacebookページ等のSNSページは「株式会社起業ナビ」と、企業名で作られたものでした。しかし昨年12月頃から新たに作成された「ビズ部」というページに変更されていたのです

現在「株式会社起業ナビ」のページにつけられた“いいね”は992。(※2016年1月24日現在)

一般的な中小企業のページよりもかなり多い数です。そのページを降ろして、今はまったく新しい「ビズ部」というページが貼られています。すでに成功しているメディアであるにも関わらず、何かしら意味がなければこうした事はまず行われないでしょう。

2.なぜ「ビズ部」はFacebookページを今の時点で変えたのか?

考察その1.企業名ではページいいねが増えにくかったのか?

ではなぜわざわざ、いいねが多いページを下げたのか。理由その1として考えられるのが「企業名ではページのいいねが増えにくかったのではないか?」という事。

550円で効果有!Facebook広告の投稿を宣伝結果1でも少し触れましたが、Facebookページにいいねを押すという事はイコールそのページが更新した投稿がその後表示されることに繋がります。これは企業のページであれば「ブログ記事を投稿しましたよ」というお知らせ以外に以下の2つも加わるでしょう。

  • セミナーなどイベントのお知らせ
  • 商品等のアピール

そういったビジネス色の強い投稿も目に入る可能性がかなりあります。そうした懸念から企業のページにいいねを押すのは、ブログ等の気軽なページよりもハードルが高くなりがちでしょう。

思ったよりいいねの増え方に勢いがなかったのか

おそらくオウンドメディア『ビズ部』の成功度合に比べて、ページのいいねの増加に勢いがないと判断した可能性は充分にあります。そしてその対策として今のうちにいいねが押しやすいライトな「ビズ部」ページを貼ったのではという考え。それが1つ目の考察です。

考察その2.企業名ページを新規顧客獲得ではなく既存顧客維持に回すためか?

ページを変更した理由その2として考えられるのは「企業名ページを新規顧客獲得ではなく既存顧客維持に回すためか?」です。

そもそも、この『ビズ部』というオウンドメディアは株式会社起業ナビが新規顧客を開拓し、売上をあげるためのマーケティング戦略として立ち上げたものであるのは明らかです。ではもしその売上アップがほぼ軌道に乗り、圧倒的な開拓が必要なくなった場合はどうでしょうか。株式会社起業ナビは書き出しでご紹介した通り、起業支援特化型の会計事務所だそうです。会計だけでなく、起業の支援、イコール売上向上や税務のコンサルティングを主軸に据えているという事でしょう。という事は人員を増やせば対応は見込めるものの、機械やサービスによる自動化が難しく、対応できる顧客数は限られていると見るのが妥当です。

セミナーなど顧客維持の投稿を増やす可能性

そうなると新規顧客ばかりではなく、今抱えている既存取引先へ向けた顧客維持の一環としてセミナー情報やその他お知らせをする投稿が増えるのではないでしょうか。そういった投稿をブログ内容だけを知りたい読者に届けてしまうと、うっとうしく思われるでしょう。そのためにもはや企業名は降ろし、ブログのお知らせだけをするブログ名ページを新たにあてがった可能性も否めません。

考察その3.企業名のページいいねを増やす価値が薄くなったのではないか?

そして最後の理由その3「 企業名のページいいねを増やす価値が薄くなったのではないか?」です。

これは企業名ページのいいね数が少なかったために、ある程度いいねが集まるまでは企業名で行こうと最初から計画していたという可能性です。「ビズ部」は税務を中心とした内容を記事にまとめています。メディア自体が“いいね数”や“会計事務所”など細かな印象に左右されない強力な物となるまでは「会計事務所が運営しているのか、なら信憑性もあるかな」という権威付けだった事も考えられます。

しかし現在では企業名のいいねも溜まり、メディアも成長しましたので、ここらでブログ名に変更しようと決定したのかもしれません。

3.このような事例を受け、結局オウンドメディアに使うページはブログ名か企業名どちらが良いのか?

さて、ではこの投稿のタイトルにあるように「企業がオウンドメディアで使うべきFacebookページはブログ名か企業名どちらが良いのか?」です。

基本的にはブログ名であれば問題はありません。上の考察で書いた通り、企業名に比べるといいねを押されやすいです。では企業名を使う場面はどんな時なのか?

・そのメディアの内容と企業の業種がマッチしており、権威性が上がる時
・メディアの内容と業種が合っており、スタートアップの企業がいいねを増やしたい時

この2つが考えられます。ちょっと分かりにくいかもしれないので具体的に例を出しましょう。

3-1.メディアの内容と企業の業種がマッチしており、権威性が上がる時

例えば法律について言及した、とあるオウンドメディアがあったとします。法律について色々な記事が詳しく書かれていたとしても、Facebookページもブログ名のみ、そのブログが誰が書いたかもよく分からないとすればどうでしょう。おそらく逆に警戒してしまう事もあり得るかもしれません。しかしFacebookページに「〇〇法律事務所」などと書かれていれば途端に信憑性が増し、記事に対する見る目も変わります

それとは逆にオウンドメディアの内容と合致しない、全くよく分からない企業名が書いてあれば、企業ページにいいねを押す事を躊躇ってしまうでしょう。それが誰もが名の知る大企業の場合は「ああこの企業はこんなこともするんだな」くらいでイメージは上がるかもしれません。

3-2.メディアの内容と業種が合っており、スタートアップの企業がいいねを増やしたい時

メディア内容と業種は合っているのに全く企業ページにいいねがない状態ならば、まず企業ページにいいねを増やす事も戦略のひとつとなり得ます。スタートアップであれば圧倒的な集客でなくとも1社2社取引先が増えるだけで救われることがあるでしょう。その最初の少しを獲得するためにも企業名でいいねを集め、セミナー情報や商品紹介を流すのも手です。もちろん、相手にメリットがある事が前提ではありますが。

メディアが充分に成熟すれば、いいね数のイメージなど記事のクオリティに比べれば大した事はありません。この投稿で取り上げた「ビズ部」のように途中で切替も可能でしょう。

3-3.大事なのは読者が違和感を持ちにくいこと

上で挙げた企業名でFacebookページを設置する時の2つのパターンは、どちらも読者が企業名であることに違和感を感じない事が大事になっています。全く違う業種、関係のない会社がわざわざメディアを運営しているのを知れば、ビジネスの香りをより強く漂わせてしまうからです。

4.今回のまとめ

新たにオウンドメディアを立ち上げる時はそのメディア名・ブログ名でFacebookページを作るべきか迷うものです。

  • 企業名を見て、むしろ信頼性が増しそうか
  • オウンドメディアの足を引っ張らないか

しっかり検討した上でメディアの内容と業種がマッチしているのであれば、企業ページを設置するのも良いと思います。今回の「ビズ部」のように実例が出てくれるとこういった考察が出来て助かりますね。また何かあれば綴ってみたいと思います。

※今回行った考察はあくまで中原が考えた内容で想像の域を出ません。株式会社起業ナビ様および株式会社アカウンタックス様の真意ではない可能性は充分にありますのでご注意ください。

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